石井米雄(編)
『東南アジア世界の構造と変容』
創文社、1986年
はしがき
過去20年の間に、たしかに、日本の東南アジア研究の状況は大きく変化し、すぐれた人材が、かつては見向きもされなかった東南アジア研究に参入し、東南アジアをそのフィールドとする学問研究に若い情熱をたぎらせるようになったことはうれしいかぎりである. しかし、 学問はたゆむことなく前進を続けて止まることを知らない. この書物が、新しい東南アジア研究者の出現にいささかなりとも貢献することができるならば、編者の喜びこれに過ぐるものはないのである.
(はしがきより)
はしがき:石井米雄
第Ⅰ部 生態環境と生活空間
第Ⅱ部 社会単位の形成
第Ⅲ部 歴史と国家
- 東南アジア前近代国家の類型的考察:桜井由躬雄
- 東南アジアにおける「国家」と「支配」:試論:矢野 暢
- 「ジャワ」から「インドネシア」へ──インドネシア・ナショナリズム再論──:土屋健治
第IV部 地域経済と発展
- 民族資本の形成──フィリピンの事例を中心にして──:吉原久仁夫
- アジア経済発展の特色:市村真一
- 農村の変容──東北タイの一農村の事例──:福井捷朗